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5・6 今後の時間短縮への期待

 

5・6・1 当面の時間短縮
今回の調査では、さしあたって、早期に実用可能な方法によって、まず北線の昼間特急列車の時間短縮に関し、予備的な検討を行った。
今後の鉄道輸送サービスの進め方に関して、広く検討がなされると思われる。
その中でこの北線昼間特急について、さらに具体的な計画、検討が行われ、鉄道輸送の役割の明確化にも役立つことが期待される。
また他の列車種類や線区について、時間短縮その他の輸送改善が順次検討されるであろう。複線化や軌道強化で得られた輸送力を活用して、有用がつ高効率な鉄道輸送のサービスを展開してゆくことが望まれる。
5・6・2 将来の段階の時間短縮
さらに先の将来に視点を移すと、既存の狭軌鉄道に相応の投資を行うとして、今一段の時間短縮はどの程度まで期待しうるのか。
将来に向けて種々行われている標準軌新線の建設案の検討と併行して、既存の狭軌線についても展望を持ち、比較判断が出来るようにしておくことが望ましいと考えられる。
北線の場合、北寄り山岳部の急曲線の一部を新線で短絡し、また技術開発の進んでいる狭軌の時速200kmにより、平地区間を走行することで、相当の時間短縮が期待される。
(1)山岳部の線路短縮
チェンマイ寄りの山岳部に急曲線が続き、その間に幾つかの大きく迂回した線形の部分がある。しかもその部分には連続する急曲線が連続しているため、長い時間を要している。
これらの迂回部分を短絡して新線で結べば、距離が短くなった分だけそっくり時間が短縮される。さらに置き換えられた新線部分は、従前の迂回路の同じ長さの分よりも高速となって、併せた効果が得られる。
急曲線の続く山岳部であるが、全体としてみる場合、それほど高く険しい地形構成ではなく、以前の調査によると短絡新線の建設には、それほど多大な費

 

 

 

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